
なぜ、大空に電気が溜まるのか、どうして雷のようなエネルギーになるのか
フランクリンが雷は電気であることを証明した後も、この「なぜ」に対する答えは、なぞは長いことだれも説明することはできなかった。
1920年代に雷の研究が熱心に進められ、活発な意見が交わされた。その中で、特に有名なのが、1928年グラスゴー大学で行われた雷研究の発表におけるシンプソンとウイルソンの論争である。
シンプソンはイギリスの気象台長
ウイルソンはノーベル物理学受賞者
当時の最高レベルの学者の論争は多くの研究者を巻き込んだ雷の歴史的大論争となった。しかも、この二人の学説は雷の発生について、まったく正反対だったので、なおさらである。
シンプソン説:
雷雲の上層は負に帯電し、その結果雷雲下部は正に帯電すると考えた。水滴は分裂する際に、正に帯電し、対応する負の電荷が空中、地上に発生する。シンプソンは多くの図や写真を元に説明し、彼の理論ですべての現象を見事に説明した。
ウイルソン説:
雷雲の上層は正に帯電し、その結果雷雲下部は負に帯電すると考えた。かれは実際にさまざまな地点での電荷測定を実施し、解析してこの結論を引き出した。彼はこの結果水滴は上部が負に下部が正に帯電して、分極すると考えた。下部が正に帯電した水滴が落下するとき、正の電荷に反発し、負の電荷を吸収することにより負の電荷が蓄積されるというイオン選択捕捉説を提唱した。
互いの説を否定する学説
二大学者の対立した学説が、同じ学会で発表されたのだから、大変である。多くの観測結果はウイルソン説を支持するものが多かったが、シンプソンも新たな研究によって、自説をより強固なものとした。
雷の現象はもっと複雑だった
ウイルソンとシンプソンの学説は、まったく正反対の内容なので、片方が間違っていれば、もう一方が正しいと考えられた。両方が同時に正しいことはありえないし、両方が同時に間違っていることも考えられなかった。しかし、雷の生成について研究が進むにつれ、一方の説が正解で、もう一方の説が誤りというほど、雷は単純ではないことが解明されていくことになる。
しかし、当時、そこまで予測できたものはいなかったので、名のある2人の学者の名誉をかけた論争は当然のことながら大きな話題になった。
この著名な学者の考えが正反対であったことが、多くの関心を呼び、新たな雷の研究に拍車をかけたことには間違いない。















